管弦楽団「特別演奏会 2020」開催報告
こんにちは!
学習院輔仁会音楽部管弦楽団です。
特別演奏会 2020が無事終演し、1週間が経とうとしています。
演奏会の開催にあたり、ご支援、ご協力いただきました全ての皆様に心より感謝申し上げます。
音楽部として初めての試みだったライブ配信を通して多くの方にご覧いただき、大好評をいただくことが出来ました!
仲間と共に音楽を作り上げ、それを多くの方に届けることが出来る—私たちにとって最も幸せな瞬間を、再び味わうことが出来たことをとても嬉しく思います!
今回は当日の写真を交えつつ、コンサートミストレス、総務委員長、楽事委員長より、ご報告とご挨拶をさせていただきます。
コンサートミストレスより
部活動ができなくなったのは3月の頭だった。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、対面練習の自粛を余儀なくされたのだ。
1ヵ月程経てばまた普段の通り部活ができるだろう、4月には新歓をして仲間が増えてまた楽しい部活が始まるだろうと思っていた。しかし現実には時間が経つほど状況は悪くなり、4月に部活が始まる代わりに5月末に予定されていた第59回管弦楽団定期演奏会の中止が決まった。
喪失感に苛まれ、時が止まったような毎日だったが、何もしないわけにはいかない...ということで、オンライン上で新入部員募集を始めたのが5月。思った以上に沢山の新入生が入部してくれたのが6月。相変わらず対面の部活動は出来ない日々が続いていたが、新入部員が入ったことで少し部に活気が戻った気がした。
ヴァイオリンパートには14人の新入生が入部した。パートの仲間が増えたことで、現部員と新入部員を繋ぐべくオンラインお話会を企画したり、7月中旬からはオンラインパート練習も開始したりと対面での部活ができない中で今できることをやっていこうという動きが徐々に出始めた。
8月に入ると、11月29日に行う予定だった音楽部定期演奏会を中止する代わりに同日に特別演奏会を開催することが決まり、「演奏会をやる」という意識から練習にもいっそう力が入るようになった。
8、9月は毎週土曜日にオンラインパート練習を行った。1stヴァイオリンパートと2ndヴァイオリンパートに分かれ、8月は主に基礎練習を中心に行い、9月は特別演奏会で披露する2曲を中心に練習を進めていった。
ここでは1stパートのオンライン練習について少し紹介しよう。部活内では音階や練習曲を活用して基礎練習を行った。オンラインでの練習は一人一人を見ることは難しいので、部員は部活後にパートリーダーに動画や音声を送り、パートリーダーはそこから改善すべき点や練習したほうがよい点を指摘するという形をとるなどの工夫を試みた。
8月は基礎練習とリモートアンサンブルを行った。普段の部活ではクラシック音楽のみを扱うが、今回のパート内リモートアンサンブル企画ではJ-popの曲を扱い、パートのメンバーは皆自分のよく知る曲を弾くということを楽しんでいたようだった。
9月の練習からは特別演奏会で披露する2曲の練習へとシフトチェンジし、全体では譜読みや大まかな流れの確認を行って、細かいところはペアを組んでチェックをし合うなどオンライン上でも様々な練習ができるという可能性を感じられた練習だった。
10月からは週末のみ、かつ外部施設での練習ではあったが対面練習が再開し、本格的に特別演奏会への練習が始まった。そこからはあっという間で、気がついたら本番当日になっていた。3月の部活動自粛からずっと時が止まった気分でいたのに現実には8ヵ月もの時間が進んでいて、何もできずに立ち止まっていた気分でいたのに現実には特別演奏会を満足のいく演奏をして終えることができていた。
この成功と充実はひとえに全部員の努力のたまものであり、部を支えてくださっている方々のサポートのおかげである。各パートの先生方、部に関わる諸先生、演奏会に参加してくださった賛助の方々、父母保証人、演奏会参加部員、不参加部員...音楽部に関わる全ての人々のおかげで、音楽部は3月から時を止めることなく進んでいくことができたのだ。この感謝の気持ちは言葉ではとても言い表すことができない—私の書くこの言葉よりも、特別演奏会の演奏のほうが余程感謝と喜びを表現できているだろう。
当部はもちろん一つの演奏会が終わったからといって止まったりはしない。既に次の演奏会に向けて動きだしており、今月からパートごとの練習も始まる。新型コロナウイルス感染症の影響はまだまだ強く不自由な中での練習ではあるが、今回の特別演奏会よりも更に良い演奏会をと部員たちは日々今できることに精一杯取り組んでいる。今後の当部の活動、活躍に是非注目していただきたい。
コンサートミストレス3年 中村美月
総務委員長より
11月29日に開催された特別演奏会からはやくも1週間が経ちました。皆様のご来場ならびにライブ配信動画のご視聴誠にありがとうございます。私も実行委員として運営に携わり、当日も舞台袖にいましたが、久しぶりに演奏を聴くことができとても幸せでした。それぞれが様々な思いを抱えて臨んだ演奏会は、出演者はもちろん聴いてくださった方にも記憶に残るものになったのではないでしょうか。演奏会を開催するにあたりご助力いただきました、全ての方々に感謝申し上げます。
合唱団も徐々に対面での練習を開始していく予定です。まだまだ全員で合わせることは難しいですが、オンラインでの活動と並行して、全員が楽しんで音楽を作り上げていきたいと思います。
12月から代替わりが行われ、新たな「学習院輔仁会音楽部」として活動していきます。厳しい状況ではありますが、前向きに進んでいってほしいと思います。これからもご支援よろしくお願いいたします。
総務委員長 合唱団アルト3年 岩崎麗
楽事委員長より
楽事委員長とは、音楽部の企画制作の責任者のような役職です。今年は自分達が中心となって作り上げてきた演奏会を、ことごとく自分達で中止しなければならない辛い年でした。元々今年度の担当学年は非常に意欲的で、企画していた演奏会も挑戦的な要素が満載でした。それだけに、無念な思いを幾度となくすることになりました。
しかし、演奏会開催を諦めることはありませんでした。皆で音楽が出来る日が来ることを信じ、それに向け出来ることには片っ端から取り組んできました。必要な感染症対策を調査し、何時間も会議を行い、実現可能な練習と演奏会のスタイルを考え、関係各所との調整を行いました。リモート演奏やオンラインでの練習などにも積極的に取り組んできました。
日々変わる状況に一喜一憂する毎日でしたが、困難との戦いの中には不思議とワクワクする瞬間もありました。気持ちを切り替えることができたのは、音楽を愛する気持ちで繋がった仲間たちと、支え合って取り組むことができたからだと思います。
練習が再開してからの2か月は本当に楽しい日々でした。いくつもの外部の施設を転々としながらの、少ない回数での練習でしたが、皆驚くほどの集中力を発揮し、密度の濃い充実した練習となりました。練習の様子を録画し団内に配信するなどの新しい取り組みも行いました。
ところで、今回ご共演させていただきました指揮者の金山隆夫先生は、元々音楽部第64回定期演奏会にご出演いただく予定でした。状況の変化と共に何回も演奏する楽曲や演奏会の形式が変わることになりましたが、最後まで度々ご助言をくださり、練習も演奏会も非常に楽しいものにしていただきました。この場をお借りして深く感謝申し上げます。
久しぶりの演奏会はあっという間でした。そうだそうだ演奏会ってこんな感じだよな、という感覚が掴めてきたくらいで終わってしまった気がします。しかし本当に温かく、幸せな一日でした。音楽とオーケストラというものを通じて、仲間と共に努力し、喜びを分かち合うということが、私たちにとってどれだけ貴重でかけがえのないことなのかを実感しました。
改めまして、演奏会の開催にあたりご協力いただきました皆様、演奏会にご来場・ご視聴くださいました皆様、本当にありがとうございました!これにて代替わりとなりますが、今後も音楽部は積極的な活動を展開して参ります。引き続きご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします!
楽事委員長・管弦楽団学生指揮者
クラリネット3年 森俊明